豊浦町、循環福祉バス運行へ 町営路線外の高齢者ら対象

2002年 08月 29日 (木) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

豊浦町は9月2日から、町営バス路線から離れた地区に住む高齢者や身障者が町営温泉、病院などを気軽に利用できる「市街地循環福祉バス」の運行を開始する。10月1日の本格運用を前に、9月中を試行期間として各種利用状況の調査を実施、利用者の視点に立った運用を目指す考えだ。


町は、町営バス路線から外れ、交通手段を得にくかった旭、船見、東雲町などの住民や自治会からの要望を受け、市街地を巡回する福祉バスの運行を決定。高齢者、心身障害者らの社会参加や健康促進を目指し、既存の車両などを有効活用して実現にこぎ着けた。


対象は町内に居住する70歳以上の男女と、身体障害者手帳や療育手帳を持つ人。70歳以上の人については路線バスの無料パスか手帳を提示することで無料で利用できる。介助者は3人程度乗車可能とする。運行日は毎週月曜から金曜までで、土曜、日曜、祝日は運休。29人乗りバスの4面には「福祉バス」のプレートが張られている。


便数は1日3便。午前10時にウィンザーホテル社宅前を出発し、天然豊浦温泉しおさい前に向かう第1便と、同社宅前を午後1時に出て同区間を往復する第2便、しおさいから同社宅前までの第3便を設定、市街地から公共施設への利便性を補う。


町は「試行期間中、町内の民生委員にバスに乗ってもらって利用者の乗降、車内状況調査などを行い、利用者の立場に立った運行をしていきたい」とし、高齢者が戸外に出る機会を提供する意味でも効果がありそうだ。


停留所はウィンザーホテル社宅前、テニスコート前、西村団地前、大久保宅前、須藤建設工作所前、朝日台子供会館前、民宿旭前、母と子の家前、国保病院前、豊浦駅前、役場前、栗山幸栄堂前、しおさい前の計13カ所。


室蘭民報
現在位置 : Home » 北海道の介護ニュース / 2002年08月 > 記事詳細
タグ: