生きがいを感じる「老人クラブ」と「趣味」 情報提供望む声多く

2002年 08月 02日 (金) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

高齢者保健福祉計画の見直しに合わせ、室蘭市が65歳以上の高齢者を対象に実施したアンケート調査結果がまとまった。複数回答で大勢のお年寄りが老人クラブ活動や趣味に生きがいを感じている一方で、「今後やってみたいこと」を問う質問に25%のお年寄りが「特にない」と回答した。高齢者の生きがい対策は同計画を見直す柱のひとつで、市は集計結果をさらに分析し、趣味の活動の情報提供やきっかけづくりなどについて検討する方針。


アンケートは、比較的元気で活動的な老人クラブ会員910人と、配食サービス利用者100人、独り暮らしで75歳以上の後期高齢者が多い緊急通報システム利用者100人の3区分で計1110人に調査票を配布。973人、八7・7%の回答を得た。


「生きがいを感じるものは何か」の質問に対し、57%が「老人クラブ活動」、54%が「趣味の活動」(いずれも複数回答)と答えた。「学習や教養を高めるための活動」「スポーツ」「働くこと」などが続いた。


続いて「今後やってみたいこと」の質問には、全体の25%が「特になし」と回答した。老人クラブ会員の回答は「老人クラブ活動」が23%でトップだったが、配食サービス利用者の53%、緊急通報サービス利用者の45%が「特になし」と答え、後期高齢者、ぜい弱なお年寄りほど、元気をなくしている様子がうかがえる。


自主記載を求めた意見・要望では、「福祉サービスの内容を知らないことが多かった」「ボランティアに関する情報を提供してほしい」という情報を求める声や、「話し相手がほしい」「地域での声の掛け合いで住み良い室蘭になると思う」など地域との触れ合いを求める声が寄せられた。


市福祉総務課は「福祉関係の情報は広報紙などを通じて提供しているが、もっとお年寄りに興味を持ってもらったり、目につきやすい提供方法を検討する必要がある」と受け止めている。趣味などの生きがいについては「どのような活動を望み、どうすれば参加しやすい環境になるのかをよく考えたい」と話す。


65歳以上人口が22・6%(平成13年度実態調査)と都市の高齢化が急速に進む中で「元気なお年寄りが増えることが、地域の活力につながる」と同課。今後の見直し作業で福祉関係施設での聞き取り調査などを予定しており「アンケート結果をさらに分析するとともに、お年寄りの生の声を聞いて計画に反映させたい」としている。


室蘭民報
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