胆振支庁が介護保険サービスの利用状況に関する調査結果をまとめる

2000年 08月 01日 (火) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

胆振支庁は4月にスタートした介護保険サービスの、管内15市町村の利用状況に関する調査結果をまとめた。それによると、サービス提供で不足しているのは「訪問入浴介護」「痴ほう対応グループホーム」「訪問リハビリ」、導入前との比較では「訪問介護」「通所介護」利用が増加傾向にあり、「短期入所(ショートステイ)」「訪問看護」利用が減少しているのが分かった。緊急調査だが駆け込みスタートになった新制度の「明暗」が浮き彫りになった。


全道市町村の実態把握を目的に5月末現在で実施した。まとめによると、介護サービス提供量で不足しているサービス部門で①訪問入浴介護②痴ほう対応型グループホーム③訪問リハビリ―を指摘する声が多く、ほぼ全道と同じ傾向だった。


導入前との比較では、利用の増加傾向にあるのが①訪問介護②通所介護。要因として①は「利用者の意向に沿うケアプラン作成で利用しやすくなった」「新規民間事業者参入増」などとしている。


逆に利用が減少傾向になったのは1短期入所②訪問介護の―回答が多かった。①の理由は「保険導入による利用日数制限で利用しづらくなった」、②が「医療保険より高いため」などという。


利用者からの苦情では、「利用者負担」「サービス不足」「要介護認定」「ケアプラン」に関するものが多かった。介護認定結果に対する「不服申し立て」も胆振管内から2件あった。ただ件数は全道、胆振ともに意外と少ないよう。


この結果について同支庁社会福祉課は「駆け込みスタートで現場も利用者も混乱しており、このデータもそんな状況下での調査結果だった」と前置きした上で「導入前との比較ではそう大きな変化はみられない。ただ導入前から予想されていた制度上の課題がはっきりしてきた」とみている。


室蘭民報
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