在宅サービス利用者を対象にアンケート、8月からショートステイの特例措置を実施
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
介護保険制度がスタートして3カ月が経過したが、登別市は実態把握のため在宅サービス利用者にアンケートを行う一方、スタート時点では見合わせていたショートステイの「振り替えによる特例措置」を8月1日から実施する。
介護保険は「始まって3カ月がたつが、苦情とかの声が一向に聞こえてこない」(介護保険室)ことから、不満や要望などを掘り起こし、運営の参考にしようとの狙い。
アンケートの対象は施設以外の在宅サービス利用者約650人。質問は「ケアプランはあなたや家族の希望が反映されているか」「介護サービスを受けて改善してほしい点は」「利用料金について」など13項目。今月21日に質問項目を個別に発送する。締め切りは8月15日で、9月いっぱいでまとめる予定。
一方、ショートステイサービスは要介護度に応じて支給限度基準額が決められているが、①利用者が痴ほうである②同居家族が高齢・疾病などがある―の対象者については、短期入所サービスの日数に振り替え、その範囲内で法定限度額に上乗せできるのが特例措置。市町村の判断で独自に実施できるが、同市では「どのくらい使われるか分からない」としてスタート時点では見合わせていた。
しかし、特別養護老人ホーム「緑風園」でのショートステイ利用実態は、4月が利用率21・9%、5月が9九・7%、前年との比較でもそれぞれ16・2%、24・2%落ちているのが分かったことから、8月1日からの実施を決めた。
利用に当たっては利用者がいったん10割を自己負担する償還払いが原則だが、これだと負担が大きいため、受けた人は1割、残りの9割は業者が市に請求して市が支払う受領委任払い制度とする。市は今後サービス提供業者と契約を締結する。
市では「利用が少ないのは、いざというときのために、利用を手控えているのではないか」とみており、特例措置の利用を呼び掛けていく。特例措置は室蘭市でも7月から実施している。
室蘭民報』
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