室蘭:高平湯を皮切りに最後の「ふれあい銭湯」スタート

2000年 03月 22日 (水) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

4月から「いきいきデイ銭湯」に一新してバトンタッチする室蘭市の高齢者福祉事業「ふれあい銭湯」の3月事業が21日、港北町の「高平湯」を皮切り市内4銭湯で始まり、「最後のふれあい」を楽しんだ。


ふれあい銭湯は、原則75歳以上の独り暮らしのお年寄りたちを対象に、健康チェックを兼ねて入浴と昼食を共にしながら、ふれあい交流を図ってもらおうと、平成8年度からスタート。銭湯と地域の町会が連携した運営委員会が毎月1回開いてきた。自己負担は弁当代(400円)だけ。


地元の協力態勢が不可欠とあって毎年、実施銭湯の見直しをしているが、高平湯だけはスタートから4年連続して実施してきた。最後の「ふれあい銭湯」には約20人が集まり、いつものように健康チェックとレクリエーションの後、町会婦人部手作りのみそ汁とデザート付きの弁当で昼食、そして入浴と、語らいの1日を楽しんだ。この日初めて「いきいきデイ銭湯」に移行する話を聞き、時間短縮と昼食なしの話にお年寄りの1人は「昼食はどこでも必要なのに」とさみしそうだった。


市福祉総務課によると、「いきいきデイ銭湯」は、従来の75歳以上のほかに、介護保険サービスを受けられない65歳以上の「自立判定者」も対象に加える。会場も市内19の銭湯―と大幅に拡大。開催日も月1回から2週に1回に増やす。ただし、開催時間は原則、午後零時半から2時間と現行より1時間半短縮し、健康チェックと入浴を無料で実施するが、昼食は廃止する。4月下旬の一斉スタートに向け、民生委員を通して対象者登録に入っている。


室蘭民報
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