登別中央町にバリアフリー美容室がお目見え

2000年 02月 04日 (金) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

「福祉の心を美容に、美容の心を福祉に」―との願いを込め、車いすで利用できるバリアフリー型の美容室が登別市中央町のJR幌別駅前通りにお目見えした。「手話を勉強中」という若き店長は「同じ考えの仲間をこの地域で増やしたい」と呼び掛けている。


美容室「ファスティ」(福士倶子さん経営)。開業45年目の前身「トモ」が駅前通りの拡幅工事にかかり、移転改築を迫られていた。札幌で美容室を開業していた長男、裕二さん38歳が以前から考えていた「美容と福祉の日常的ドッキングの必要性」から「バリアフリー型」を提案。両親を説得して新店舗を実現し、Uターンして経営に乗り出した。


新店舗は平成10年11月に完成。店内はもちろん段差のない造り。4つの全自動いすは瞬時に移動可能で、車いす利用者も楽々と鏡の前に。トイレには頑丈な手すりを設けた。歩道整備が年明けに完了し、歩道から店内にスムーズに入れるようになったばかり。新装から1年経過したが、口コミで知った車いす利用客が訪れているという。


子供時代から介護の世話を身近に見ていたことや、東京の恩師が3年前から移動美容室に取り組んでいることに刺激を受けたという福士さん。「特に女性は年齢に関係なく美しくありたいと思っている。これからは生活介護の中にも心のケアとしての美容は必要」と力説。聴覚障害者のためにいま、スタッフ全員で手話を勉強中で、今後は介護ヘルパーの資格を取得し、寝たきり宅への「出張美容」も検討している。


福士さんは「この登別・室蘭地域で、美容と介護の枠を超えた同じ志を持つ美容師たちとのネットワーク化を図りたい」と願い、インターネット・ホームページを開設して呼び掛けている。問い合わせは同店(電話85局2775番)へ。ホームページ・アドレス「http://www1.ocn.negp/~biyou/」


室蘭民報
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