「介護疲れ」悲痛な訴え・室蘭の市民グループがアンケート

1999年 12月 18日 (土) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

介護する人の半数以上が腰痛や不眠などの体調不良に悩み、交代要員もいない。公的福祉サービスを知らない人も3割以上いる―。家族介護をテーマに室蘭の市民グループが実施した市民アンケートの結果から、介護する側の厳しい実態があらためて浮き彫りになった。そこには「介護の社会化」を求める声が集約されている。


室蘭出身のノンフィクション作家、沖藤典子さん(神奈川県在住)を講師に招き、高齢社会と家族介護問題をテーマにした講演会を主催した「室蘭高齢社会をよくする女性ネット」(藤本紀子代表)が来場者を対象に調査した。


まとめによると、約450人の来場者のうち回答者は209人。うち男性は15人。ほとんどが40代以上の女性で、30代以下は1人だった。地域別では室蘭73%、登別18%。残りは伊達、白老、虻田、壮瞥。


「介護経験」が「ある」は106人(51%)で、「現在介護中」は28人(26・4%)。


この28人に聞いた「現在受けている介護サービス」(複数回答)では、「デイサービス」と「ホームヘルパー」が各7人ずつと多く、「ショートステイ」3人、「訪問看護」2人、「入浴サービス」1人の順だった。


「介護している人の健康状態」(同)では、「体調不良」を訴える人が15人(53%)に上る。内訳は「腰痛」6人、「不眠」と「その他」が3人ずつなどだった。「介護者の代わりがいるか」では、「いない」が過半数の15人で、「いる」は9人、「無回答」5人。


「公的サービス」の種類や内容では、「だいたい分かる」がほぼ半数の13人いたが、「分からない」も10人を数えた。「相談者は」(複数回答)との設問には、「兄弟」20人、「友人・知人」18人、「連れ合い」16人の順となっている。


この結果について同会は「体調不良を訴える人が多いのは予想通りだが、介護の交代要員がいなく、公的サービスを分からない人が多いのはやはり問題」とし、あらためて「介護の社会化の必要性」を指摘するとともに、来年4月開始の公的介護保険の充実に向けた今後の取り組みの参考にすることにしている。


室蘭民報
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