室蘭市社会福祉協議会「介護保険」事業に参入

1999年 10月 16日 (土) | Category : 北海道の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

室蘭市社会福祉協議会(松山照会長)は、来年4月に導入される介護保険の、在宅サービス部門に事業参入することを決め、このほど道に事業者指定の申請を行った。市から委託されているホームヘルプと訪問入浴サービス事業で、「民間との競合になるが、これまで培った職員の高いレベルの経験を生かしたい」(同社協事務局)との意気込み。事業参入を働き掛けていた室蘭市は「これで予定通り対応できそう」(介護保険室)とひとまずホッとしている。


同社協は、ホームヘルプサービスを昭和55年から、訪問入浴サービスを平成6年から市からの受託事業としてスタート。派遣実績は高齢化の進展とともに年々増えている。10年度実績のホームヘルプサービスが前年度比20%増の1万7千918回。訪問入浴サービスは同比2・9%増の536人。現在の職員は常勤二十三人、パート六人のほか、登録ヘルパー32人で対応している。


介護保険導入で、これまでの措置制度から民間参入の自由競争時代に突入し、お年寄りから選ばれる側へと立場は一変する。これまでは人件費、諸経費すべてが市からの委託料で賄い、収支トントンでよかった。が、介護保険制度では頼りは介護報酬だけ。「果たして収支はどうなるのか」が最大の検討課題だった。


8八月末に国から介護報酬の仮単価が示されたが、「事業者としては不満足」と同事務局。しかし、市からの要望や自前で一級ヘルパーや介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得している職員の参入意欲もあることから決断し、理事会・評議員会で定款変更の承認を得て、このほど道に事業者の指定申請を行った。


現在、介護保険事業計画を策定している市介護保険室の西田昭夫室長は市社協の参入に「社協のホームヘルパーはレベルの高い人たち。これで在宅サービス必要量の見通しがついた」と「大手」の参入決定に安堵している。


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