地域が「共助」
広島市は今年度、高齢者や障害者など災害時に自力で避難することが困難な「災害時要援護者」の避難支援対策に取り組んでいる。今月末までに援護を求める人の多くから情報を集め、来年度中に情報をリスト化。区役所や民生委員、町内会長らが要援護者の情報を共有して援護に乗り出す実践段階に入る。95年の阪神大震災や04年の新潟豪雨などの教訓から、災害時には行政のみの要援護者支援は困難とされ、地域が「共助」する仕組みを育てる。【吉川雄策】
市社会企画課によると、国が05年3月に作成した「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」を基に、具体的な仕組み作りを検討。昨年6月から、市が介護サービスに使う「福祉情報システム」などの情報を基に、区役所の依頼を受けた民生委員らが、要援護者とみられる人の自宅を個別訪問。74歳未満の人と同居していない要介護3以上の高齢者や重い障害の人などのうち、本人の同意を得た人に生年月日や自宅での寝室の位置、近所に住んでいて緊急時に支援してくれる人の連絡先などを記入してもらっている。情報は年に1度、更新する。
災害発生時には、市の災害対策本部が民生委員らに連絡。民生委員らは、登録した災害時要援護者と連絡を取り、一緒に避難場所に避難する。
同課は、福祉情報システムの登録者約1万5000人のうち、災害時要援護者に当たるのは半分程度とみている。個人情報意識の高まりから、登録を求めない人が多いことを懸念していたが、登録拒否者が全体の1割未満の区もあり、順調に進んでいるという。
ただ、登録拒否者への緊急時の対応や、登録した人でも緊急時に支援してくれる人が見つからない場合もあるなど、課題もある。同課の森田博通課長は「災害時には、地域の関係者の協力がなければ動かないシステム。市としても民生委員や町内会、自主防災組織など地域内の連携を支援したい」と話している。
毎日新聞タグ: 災害時要援護者台帳
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