◇千葉市、発見できず


千葉市に事務所を置く居宅介護サービス事業者の介護保険の不正請求額が、03~07年度の5年間で総額6310万7000円(課徴金含む)に上ることが分かった。市は不正請求した5事業者に対し、請求額の4割を目安にした課徴金を加算して返金を求めたが、計681万5000円が未回収となっている。5事業者はいずれも県などの監査で判明しており、市は不正請求を発見できなかった。


市によると、06年の介護保険法改正で市内にある事業所については、県が介護保険事業者として指定していても、市に監査権限が与えられた。しかし、監査実施率は07年度で8・4%にとどまり、これまで市の監査で不正請求と認定された例はない。


県が指摘した不正請求には「従業員数が基準に満たないにもかかわらず、基準を満たした場合の額を請求(不正請求額3687万8000円)」「実際は提供していない通所リハビリテーションの介護報酬を請求(同44万8000円)」などがあった。


一方、不正請求より悪質性が低いとされる「不適切な請求」は、市の監査でも見つかっている。07年度の1年間で計48事業所、総額6885万9000円が不適切な請求とされた。


不適切な請求には「往復1時間かかった通院介助を、約1800円報酬が高い身体介護として請求」「記録上は30分しか行っていない身体介護を1時間行ったとして請求」などの例があったという。


厚生労働省によると、不正請求と不適切な請求の違いに明確な定めはなく、「故意性」などを基準に各自治体の監査担当者が判断しているのが現状。基準を厳格化すれば、不正請求額が大幅に増加する可能性が高いという。


市介護保険課は「監査は原則的に不正な請求があったと疑われる場合にしか行わない。また不正請求と不適切な請求の境目は非常に微妙で明確な基準は示せない」と説明している。【中川聡子】


◆千葉市などに対する不正、不適切な請求の事例


◇不正請求


・従業員数を水増しして報酬を過大請求

・実際には行っていない通所リハビリテーション記録を偽造し請求

・実際には行っていない身体介護の記録を偽造し請求


◇不適切な請求


・30分間の身体介護を1時間として請求

・「通院等乗降介助」を報酬の高い「身体介護」で請求

・サービス対象外の病院内の介助時間を除かず請求


毎日新聞
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