浦安の介護施設、入所者を金具で拘束

2007年 02月 20日 (火) | Category : 千葉県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

千葉県浦安市にある民間の無認可介護施設「ぶるーくろす癒海館(ゆかいかん)」で、入所者の手首をベッドの柵に金具でくくりつけるなどしていたとして、千葉県と浦安市が今月、高齢者虐待防止法に基づく立ち入り調査を相次いで行っていたことが20日、わかった。


県と同市では「こうした身体拘束は不適切」としており、虐待の可能性もあるとみて調べている。


県などの調べでは、同施設では昨年12月、50歳代の男性入所者の手首を、金具でベッドの柵に固定した。これについて、施設側は「この入所者が漂白剤を飲み込んだため、緊急避難的に、金具で手首を拘束した。3分間ほど試みたが、気の毒なのですぐにやめた。虐待ではない」としている。


同施設によると、家族の同意を得て手などを布で縛ったりした入所者が、このほかに6人いるが、金具を使用したのはこの男性のケースだけだったという。また、昨年、他の入所者に乱暴した男性入所者を、約3時間、ベッドごと柵で囲ったことがあったという。


同施設には、認知症の高齢者や障害者ら50~80歳代の男女26人が入所。職員10人が介護にあたっている。無認可施設であるため、県などによる定期的な立ち入り検査は受けていない。


厚生労働省認知症対策推進室は「身体拘束は行わないのが原則。今回のケースは、事実とすれば極端な例で、異常だ」としており、20日、千葉県に対して実態の調査と報告を求めた。


また、法務省人権擁護局は「千葉県などから情報を集めたうえで、調査に入るかを決める。適切に対処したい」としている。


読売新聞
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