県立保健大で福祉トップセミナー

2007年 09月 12日 (水) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

県立保健大学の「二〇〇七年度社会福祉トップセミナー」が十一日、同大学で開かれ、同大社会福祉学科の渡邉洋一教授や日本社会事業大学の三浦文夫名誉教授の講演、パネルディスカッションが行われた。施設経営者や社会福祉協議会関係者ら約三百五十人が、見直しが続く社会保障制度や福祉の今後の在り方を考えた。


パネルディスカッションは渡邉教授が司会を務め、「福祉の危機と展望を考える」をテーマに行われた。むつ市の特別養護老人ホームみちのく荘の中山辰巳園長は、介護保険制度について「仕組みが難解な上に次々と変わり、現場は大変だ。望ましい形で在宅サービスが浸透しているとは思えない」と指摘した。


八戸市の知的障害者更生施設・妙光園の分枝勝則園長は「企業の参入、施設の減収など環境が激変している。考えを切り替え、法人を中心に経営の効率化を進めたり、職員と経営者が信頼し合える態勢作りが必要」と述べた。


また、黒石市社会福祉協議会の渡辺修一事務局長は、個人情報保護の強化などにより、地域福祉活動が難しくなっている現状を紹介した。


東奥日報
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