中国での介護事業の可能性探る

2007年 08月 12日 (日) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

学校法人青森田中学園(久保豊理事長)が運営する青森中央学院大学(中村信吾学長)は八月下旬から、中国での日本式介護ビジネスモデル構築を目指し、調査研究事業に着手する。現地の関係機関と連携し、中国人向けの質の高い高齢者福祉施設や、日本人を対象とした中国長期滞在型保養サービスなど新たな介護事業展開の可能性を探る。大学発の海外を舞台とした社会貢献型ビジネス創出の試みとして注目される。


同大学によると、中国は高齢化が進み、高齢者介護が大きな課題になっている。一方、富裕層の出現で、通常の介護サービス以上のサービスを求める人も増えているが、満足度の高いサービス提供体制は未成熟で今後、大きな介護市場が生まれる可能性が高いという。


調査研究は、中国の社会保障政策で実施されている介護サービス以外を対象とする。今のところ(1)日本式の運営手法による質の高い有料老人ホーム(2)物価の差を活用し、日本人が一定期間、中国に滞在して受ける介護サービス(3)中国のコールセンターから、日本語のできる中国人が日本の独り暮らし高齢者に電話する中国発安心電話-などが考えられるという。


東奥日報
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