県内468人が利用 コムスン問題
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
訪問介護最大手コムスンは十五日、五月末現在の本県の利用者数は計四百六十八人と明らかにした。県の資料と合わせて本紙が試算したところ、「二〇一一年十二月七日まで、事業所の新規指定・更新をしない」打ち切り処分により、指定が今後失効するのは介護保険の五事業所八サービスで、影響を受ける利用者は計三百四十三人。このうち、最も早く二〇〇八年三月末で指定失効し、サービスを使えなくなる青森ケアセンター(青森市)の利用者は五十四人、続いて同年七月末で失効の八戸ケアセンター(八戸市)の居宅介護支援の利用者は六十人に上っており、対応が急がれる。
コムスン広報室は、七日の本紙取材に対しては利用者を五百八十一人としていたが、十五日、修正した。利用者の内訳は、介護保険サービスが四百十六人、障害福祉サービス五十一人、個人契約が一人で、合わせて四百六十八人。訪問介護が二百十九人と最も多い。
同社は、来春以降に全介護事業から撤退することを表明している。県内でも、障害福祉サービスや介護保険の訪問看護、福祉用具の各サービスは処分対象ではないが、主力の訪問介護がすべて処分対象となる中、「余波」を受ける可能性がある。
東奥日報』
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