コムスン過誤受給4年で179件

2007年 05月 11日 (金) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

「今回はポイントを絞って調査したので不正を発見できたが、通常の手続きでは難しい」-。全国に先駆けてコムスンの調査を終え虚偽申請を突き止めた県だが、そんな実情を明かした。一般企業も入り込み、増え続ける介護保険事業所。これまで通常の監査で県が過誤受給を発見し、返還指示した件数と金額は、二〇〇二年度から四年間で計百七十九件、四億八千万円余りに上る。だが、今回の件は、行政による監視や現行制度の限界をあらためて示す形にもなった。


県内の介護保険事業所は、〇六年四月で三千五百六十五カ所と〇〇年度の制度開始時の一・五倍に増え、給付費も県内だけで九百億円余りの一大産業に成長している。


県が発見した過誤請求では、看護師を配置したとして准看護師で加算請求したり、ケアマネジャーのモニタリングが行われていないなどの事例が多い。新たな事業所の指定申請が行われた場合、施設や通所事業所なら県が実地確認を行う。だが、高齢者の自宅に職員が出向いてサービスする事業所の場合は書面審査だけ。今回のコムスンの事業所が、これに当たる。


次々に出される指定申請。「事業所には二、三年に一度の監査を行っている。限られた人員で他の業務もこなしながら行っている」と県高齢福祉保険課は説明する。


県内の指定取り消し事例は〇四年三月に、青森市の事業所に対する一件のみ、八戸市ではグループホームが取り消し処分相当事案として処分手続き中の〇六年七月に、廃止届を出して処分を受けなかった事例がある。


しかし、取り消しを受けた青森市の事業所の場合、県は百十万四千六十六円の返還を命じたが、保険者である青森市に返還されたのは数万円にとどまっている。


東奥日報
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