介護タクシー26事業所が協力体制スタート 津軽地方
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
介護タクシーを運行する津軽地方の二十六事業所は十一日に「津軽地区介護輸送連絡センター」を組織し、障害者や要介護者を対象に、津軽全域の輸送協力体制をスタートさせる。通院や花見、墓参などで遠方の外出に利用した人が、帰路は別の現地の事業者を利用することを想定しており、利用者の行動の範囲を広げるのが狙い。介護事業所が広域で連携するのは全国的にも珍しいという。
これまで各事業所の車両台数が限られ、利用者は遠出を遠慮しがちだったという。センターに参加するのは弘前市や五所川原市、つがる市、黒石市などの二十六事業所で、所有台数は三十数台規模となる。
介護タクシーは障害者や要介護者が対象で、一般のタクシーよりも割安なのが特徴だが、利用時間帯が午前に集中するなど、事業者にとって車両の稼働率が課題となっていた。今後は各事業所が利用者に都合のいい配車をセンターに電話で連絡し、調整を図ることにしている。
設立準備を進めた弘前市のNPO法人「ケアリバイブ」理事の三國信義さんは「介護タクシーは通院だけでなく、買い物など日常生活に利用できる。行楽地などに遠出することで、利用者の生活の質を上げたい」と期待する。
十一日には弘前市内で、連絡センターの運営体制を確認する。センターを通じて研修も開催し、運転手の安全意識の向上も図りたい考えだ。
東奥日報』
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