県内グループホームが防災再点検

2006年 01月 11日 (水) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

八日未明、長崎県の認知症高齢者グループホームで、入居する高齢者七人が死亡した火事は、グループホームの防災対策の弱さを露呈した。惨事のあった長崎県に次いでグループホーム整備率が全国二位の本県では、各事業所が防災対策を再点検するなど、対策に動きだした。業界団体は対応を話し合うため近く集まる方針。県も防災対策強化を事業所に指導する考えだ。


消防法では、建物面積に応じ詳細な防火設備基準が設けられている。さらに、従業員・利用者合わせて三十人以上の場合、防火管理者の決定や消防計画の作成が義務化され、特別養護老人ホームなどでは、対策を実施している。


だが、グループホームは利用者が十数人で面積も二百八十―八百平方メートル前後の所が多く、スプリンクラーや自動火災報知設備の設置が義務づけられていない所がほとんど。職員も少なく、厚生労働省の基準では、夜勤職員は高齢者十八人まで一人でよい。


火災で七人の死者が出た長崎県の事業所も、消火器や誘導灯を備え消防法に適合していたが、スプリンクラーはなく、夜間の当直は一人だった。県内のある事業所は「日中は高齢者と職員の比率が三対一だが、それでも緊急時に万全とは言い切れない」と打ち明ける。


こうした中、上北郡の事業所は十日、高齢者の所持品の状況や、防火体制を再確認した。「避難訓練の回数を増やし、近日中に再び行うことにした」と話す。また、県認知症高齢者グループホーム協会は近く会議を開くことを決めた。岩渕惣二副会長(八戸市)は「各事業所が地域から協力を得るなどの工夫も大切だ。避難訓練の定期的な実施の推進など、協会で何ができるか考えたい」と語る。


東奥日報
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