介護保険事業所運営65%が要改善

2004年 07月 05日 (月) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

県の二〇〇三年度の指導で、「運営に関する基準」に何らかの是正改善が必要として、文書指導を受けた県内の介護保険事業所は五百九十六カ所(65%)に上ることが分かった。サービス内容の説明・同意が不十分だったり、介護計画の作成・交付の不適切な事例が目立った。〇三年度には、介護報酬の不正請求による県内初の事業所指定取り消しが行われており、県は「不正の疑いのある事業所の指導や監査を重点的に実施していく」と話している。


県は〇三年度、県内の十六種類のサービス事業所計三千百五十八カ所のうち、計九百十五カ所に実地か文書による指導を行った。


指導内容別でみると、是正改善が必要として文書指摘が最も多かったのは「運営に関する基準」。具体的には(1)サービス提供前に行うべき重要事項記載文書の交付や説明がサービス提供後になった(2)介護計画に目標が記されていなかったり、項目が不足(3)健康手帳への記載不備-など。利用料金や条件の掲示が、事業所内の見やすい所にない事業所も多かった。


「運営に関する基準」のほかで文書指摘を受けた事業所数は、従業員が少ないなどの「人員基準」が五十八カ所(6%)、「介護給付費の算定・取り扱い」が五十七カ所(6%)。「変更届け等」三十二カ所、「設備基準」十七カ所、「基本方針」二カ所だった。


このほか、不正の疑いありとして県が立ち入り監査を行ったのは、二法人の事業所。介護報酬を過誤受給した弘前市の法人と、不正請求していた青森市の法人で、県はそれぞれ返還命令と、指定取り消し処分を行った。


県高齢福祉保険課は「定期的な指導とは別に、県国保連の介護適正化システムと連携しながら、疑いのある事業所の指導を強化していく」と話している。


東奥日報
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