県内の介護審査請求これまで14件

2004年 04月 28日 (水) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

介護保険制度が始まった二〇〇〇年度から〇三年度までに、要介護認定や保険料などの不服申し立てを審査する県介護保険審査会に寄せられた審査請求は十四件だったことが、県高齢福祉保険課のまとめで分かった。審理の結果、要介護認定のやり直しとなった事例が二件あった。


審査請求の内容別では、「体の状態がさほど変わっていないのに以前よりも要介護度が低いと認定され、使えるサービスが減った」など、要介護認定に関するものが九件、「夫より収入が少ないのに夫と同じ介護保険料を納めているが、保険料減免の対象になるのでは」など保険料に関するものが五件だった。


審理結果別では、認定が妥当とされた「棄却」が九件(要介護認定四件、保険料五件)で最も多かった。認定やり直しとなり、市町村に要介護認定のやり直しを命じた「認容」は二件、「取り下げ」は三件だった。


厚生労働省によると、全国では二〇〇二年度までに約五千件の審査請求が行われ、取り下げや審理中を除き、裁決が出たのは二千七百八十六件。本県の請求十四件について、同省介護保険課は「都道府県別の数字は公表していないが、少ない方と思う」と話している。


県介護保険審査会は、医療・福祉関係者、被保険者、市町村など計十二人の委員で構成。請求者は処分があったことを知った日の翌日から数えて六十日以内に、市町村か県に請求できる。


東奥日報
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