痴ほう性高齢者グループホーム、入居者獲得へ競争激化

2004年 02月 08日 (日) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

痴ほう性高齢者グループホームの増加に伴い、入居者が支払う食費を安くしたり、家賃を期間限定で無料にするなど事業者間の価格競争が激化している。


痴ほう性高齢者グループホーム利用者の介護保険一割自己負担額は、要介護度に応じ定められているが、水道・光熱費、食費、家賃などの「生活基本料金」は各事業所が自由に設定できる。


青森市内では当初、入居する高齢者が支払う利用料金は、要介護1の場合「介護保険の一割負担額」と「生活基本料金」合わせ月額九万-十万円台が多かったが、食費などを安めに設定、月額七-八万円台で済む事業所も出てきた。


本県を中心に数カ所を展開する会社が、昨年十一月に開所したA事業所は、家賃をゼロとし、総額で月額六万五千十円に設定。同月中旬に開所したB事業所と、十二月開所のC事業所は最初の一年間だけ家賃無料とし、それぞれ総額六万七千三百八十円、六万八千八百八十円で対抗している。


A事業所は「家族の立場を考え、利用しやすい値段にした。病院への通院も無料」、C事業所は「値段ありきでなく、利用者のニーズを第一に考えている」と、安くても介護の質を下げていないことを強調する。両事業所は開所直後に満床となった。


これに対し、「月額九万八千八百八十円だが、サービスに共感して入居者が集まり、定員分は埋まっている」(十月開業のD事業所)と、価格以外の魅力を訴えるところも。


とはいえ、サービス内容の違いが目に見えにくいこともあり、低価格のインパクトは大きい。秋に開所し、入居者が定員の半分未満のE事業所は「安い他の事業所に利用者を奪われた面はある。競争は当初予想していた以上に厳しい」と語る。


東奥日報
現在位置 : Home » 青森県の介護ニュース / 2004年02月 > 記事詳細