痴ほうケアホーム4年で13倍

2004年 02月 08日 (日) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

痴ほう症状を持つお年寄りを、小人数による共同生活の中でケアする「痴ほう性高齢者グループホーム」が県内で激増している。介護保険制度が始まった二〇〇〇年四月一日時点で十四事業所だったが、民間事業者が続々と参入し、六日現在で百九十一事業所と四年足らずで事業所数は十三倍になった。県内全体の定員数も二千六百人余りと、県が策定した〇七年度の介護保険利用者見込み数を既に突破、各市町村の介護保険財政への影響が懸念されている。


県高齢福祉保険課によると、県内の痴ほう性高齢者グループホームは一九九七年度に一カ所目が開設し、九九年度以降、多数の事業者が参入。六日現在、百九十一事業所、定員二千六百十二人となった。


昨年二月に県が策定した「県介護保険事業支援計画」では、利用者の見込みを五年後の〇七年度で二千四百四十二人と掲げているが、既にこれを上回っている。


急増の背景には、介護保険制度で「痴ほう対応型共同生活介護」という居宅サービスに位置付けられ、民間事業者の参入が容易になったことや、痴ほう性高齢者の増加などがある。


県は事業者に対し、新設の自粛を求める方向を打ち出しているが、法的に要件を満たしていれば、県は介護保険事業者に指定せざるを得ない。このため、各市町村は、事業者に協力を依頼し、調整しているのが実情だ。


八戸市は一日現在、二十七事業所(定員三百五十人)。「今後は、既存事業所の増設と、以前に申請された新設の計五十四人分の増・新設以外は認めない方針」(市介護保険課)だ。


また、青森市は〇三年度中に十九事業所三百五十人分が新設され、年度末には計三十九事業所、六百三十二人分と、一年間で倍増する見込み。同市は内部規定を策定し、県に申請する前に調整している。市介護保険課は「昨年四月の介護保険料アップはグループホーム急増が一因。これ以上介護保険料への影響が出ないよう、県と連携しながら進めたい」と話しているが、「整備待ち」の事業所はなお二十七に上る。


弘前市は一日現在で二十八事業所(定員三百八十七人)ある。市高齢福祉課も「自粛を求めている」ものの、整備を打診してきている事業所は三十以上あるという。


東奥日報
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