介護費用適正化対策事業に給付費の抑制期待

2003年 05月 28日 (水) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

国の介護費用適正化対策事業に、保険者である県内市町村の多くは「給付費の抑制」を期待している。介護保険給付費の負担内訳は保険料50%、国25%、県12.5%、市町村12.5%で、県全体の給付費はこの制度がスタートした二〇〇〇年度に五百十九億円、〇一年度に六百五十四億円、〇二年度に七百三十四億円(見込み)と毎年約百億円ずつと大幅に伸び、市町村にとって大きな負担となっていた。


本県の給付費が増大する背景には(1)六十五歳以上人口に占める要介護認定率が16.7%(全国十位)と高く、そのうち重度者の割合も6%(全国五位)と極めて大きい(2)特別養護老人ホーム、老人保健施設などの利用率が3.2%(全国五位)-が要因にある。


これらが介護保険料の引き上げにつながり、四月に改定した本県の第一号被保険者基準月額四千二十九円(加重平均)は、沖縄県四千九百五十七円、徳島県四千二百五十一円に次ぐ三番目の高さにまでなった。


現状では保険料低下や給付費の水準低下は容易ではない。同事業に名乗りを挙げている県内のある自治体担当者は「施設への立ち入り検査などのチェック体制を確立し、無駄な給付費が抑えられることになれば」と語っている。


東奥日報
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