鶴田の介護実習ハウスでお年寄り夫婦が宿泊体験

2002年 03月 13日 (水) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

鶴田町は、介護が必要な町民が住宅を建てる際の参考になるようにと同町鶴田地区に介護実習ハウスを建て、希望者に宿泊研修を体験してもらっている。このほど、昨年十一月に要介護認定を受けた鶴田町鶴田早瀬、中野永四郎さん(71)と妻トクさん(65)が宿泊研修した。


稲作農家だった永四郎さんは、三十年ほど前に体調を崩して入退院を繰り返し、歩行などが不自由になった。要介護認定を受けた町民に限り同ハウスで宿泊研修できることを知り、夫婦で初めて訪れた。昨年四月の開設以来、宿泊は二例目。


永四郎さんは、浴槽に入るのを楽にする滑り止め付き踏み台、電動ベッドなど、家にない機器を使いながら過ごし「とても快適。こんな家に住んでみたい」と満足そう。座面が手動で前傾する立ち上がり補助いすが特に気に入り、何度も使い心地を確かめていた。トクさんは「将来、何か設備が必要になった場合の勉強になる」と話していた。


付き添った町社協ソーシャルワーカーの高橋久美子さん(31)は「宿泊以外でも、見学や介護体験など気軽に利用を」と呼び掛けている。


東奥日報
現在位置 : Home » 青森県の介護ニュース / 2002年03月 > 記事詳細
タグ: