大阪大助教授斉藤弥生氏が介護保険について講演

2001年 06月 07日 (木) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

東奥情報懇談会上十三地域の六月例会が六日、十和田市の十和田富士屋ホテルで開かれ、大阪大学人間科学部助教授の斉藤弥生氏が「介護保険制度と高齢社会のあり方」と題して講演した。


斉藤氏は、施設希望者の急増、ケアマネジャーの質の問題など、保険制度の現状をスライドを使って説明、「サービスはまだ不十分。自治体の取り組み方にも差が出てきている。自治体がきちんとやっているかどうかチェックしていかないといけない」と語った。


さらに、個人の介護保険に対する関心の持ち方で、個人の情報差も広がっていると指摘、「保険をうまく利用できるかどうかは、制度の欠陥を知っている、いないで大きく影響する。勉強会に出席し情報を集めるのが大事だ」と訴えた。


当面の重要課題として、痴ほうケアをどうするかを取り上げ「グループホームが小学区単位でできて、痴ほうケアの拠点になっていくことが、安心して老いられる社会に近づくカギになる」と強調。最後に「痴ほうになっても十和田市で生活できるためにどういうサービスが必要か、といった視点で町づくりをしてほしい」と結んだ。


東奥日報
現在位置 : Home » 青森県の介護ニュース / 2001年06月 > 記事詳細