初年度の要介護認定、県内は4万人

2001年 05月 17日 (木) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

県は十六日、介護保険制度の初年度となった二〇〇〇年度末時点での要介護認定の状況とサービス利用状況などをまとめた。それによると、県内の六十五歳以上の高齢者の一三・七%にあたる約四万人が要介護認定を受け、そのうちの八割が何らかのサービスを利用した。一方、事業者間の競争によって休廃止に追い込まれた事業所も多く、同日までに六十六件に上っている。


県高齢福祉保険課の集計によると、三月末時点における要介護認定者数は四万百十七人となり、制度スタート前に予想していた三万五千二百三十人を五千人近く上回った。県内の六十五歳以上の高齢者(二十九万三千三百二十八人)の一三・七%に当たり、全国平均(一月時点)の一一・三%を二・四ポイント上回っている。


その要因として同課は「認定を受けることの意味をよく知らずに申請するケースも依然として見られるが、全般的に介護保険制度に対する理解が深まったことによる増加ではないか」とみている。


要介護認定を受けた人のうち、在宅サービスを利用している人は約二万三千四百人、施設サービス利用者は約九千七百人で、全体の八二・六%にあたる約三万三千人が何らかのサービスを利用したことになる。


サービス基盤の整備が比較的進み、事業者間の競争によって需要が掘り起こされ、利用が促されたことも一因とみられている。


一方、競争の結果として六十六事業所が休廃止に追い込まれた。サービス別にみると、最も多いのがケアプラン作成を担う居宅介護支援事業で二十六件、次いで訪問介護十七件、通所介護八件など。


民間を含めた事業者間の競争と、利用者の自由な選択によってサービスの質の向上を目指すことが同制度の前提なだけに、今後も新規申請の一方で休廃止を余儀なくされる事業所が出てくるものとみられている。


東奥日報
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