包括ケア推進協がモデル事業を検証

2001年 03月 30日 (金) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

保健や医療、福祉の各分野が連携した、高齢者や障害者に対する包括ケアシステムの構築を目指す県の推進協議会(金上幸夫委員長)が二十九日、青森市で開かれ、県内六市町村で行われたモデル事業の結果を検証した。二〇〇一年度以降は全市町村で事例検討会を実施できるよう取り組んでいくことを決めた。


包括ケアシステムは、全市町村での構築を最終目標に、一九九七年度から十年計画で取り組まれており、第一段階(九七-〇〇年度)では三沢市、三厩村、碇ケ関村、市浦村、佐井村、名川町の六市町村でモデル事業が行われた。


ホテル青森で開かれた協議会では、六市町村の取り組みで明らかになった成果と課題が報告された。包括ケアに対する理解がある程度浸透し、各分野で情報が共有されるなど成果が上がった一方で、対象が高齢者に偏ったり、窓口統一の問題などが浮き彫りとなった。


また、委員による意見交換でも「医療機関が限られる町村部では、そこを拠点に推進していきやすいが、都市部では逆に拠点化が難しくなる」といった課題も指摘された。


第一段階の成果を踏まえ、第二段階(〇一-〇三年度)では、(1)実務者による事例検討会の実施(2)地域ケース検討会議の創設(3)サービス対象者の拡大-などに取り組んでいくことを決めた。


東奥日報
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