介護保険審査請求、県も減免を認めず

2001年 03月 07日 (水) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

「所得が低いのに保険料が減免されないのは納得できない」として、青森市の高齢者三人が同市の介護保険料減免の扱いについて県介護保険審査会(村上秀一会長)に不服審査請求をしていた問題で、同審査会は六日までに三人の請求を「棄却」した。介護保険制度スタート以来、県内での不服請求に関する裁決は今回が初めて。


裁決書によると「介護保険では負担能力に応じた(五段階の)保険料が賦課され、負担能力のない人には生活保護費として必要な額が支給される。これ以外の恒常的な低所得者への減免は、介護保険法で禁止はしていないが、要請するところではない」「同市は『恒常的な低所得』を減免の理由に含んでいない。この意図を超えて、法で要請されていない(請求者が主張する)理由での減免を適当とは認められない」などが棄却理由とされた。


六日、県庁内で会見した請求者側の代理人は「結果は残念だが、生活保護基準より収入が低い人に対する減免が行われていないという問題をこれからも訴えていく」と強調した。一方、青森市介護保険課は「市の考え方が審査会に理解してもらえた。当然の結論」と語った。


東奥日報
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