青森・原別小6学年PTAが高齢者の疑似体験

2000年 12月 19日 (火) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

青森市の原別小学校六学年PTA(工藤武昭委員長)は十六日、市東部市民センターで高齢者疑似体験教室を開いた。児童と保護者らが、特殊眼鏡を装着して視野の狭さを体験したり、車いすを押して段差を越えたりして介護の心と技術を学んだ。


同PTAは、「子供たちに思いやりの心を持ってほしい」と、小学校最後の親子レクリエーションとして今回の教室を企画。県介護実習・普及センターに協力を要請し、山内恵子主幹ら職員四人が指導に当たった。教室には児童九十四人と保護者八十四人が参加した。


高齢者疑似体験では、八十歳になった時の身体的変化を体験した。児童たちは荷重チョッキやひざサポーターを装着し、加齢に伴う前かがみの姿勢や関節が動きにくくなる状態を再現。つえを使って階段を上り下りした。また、特殊な眼鏡をかけて手袋を三枚重ねた状態で、教科書を読んだり財布から小銭を取り出した。 車いす体験ではマットを段差に見立て、児童たちが車いすに乗った保護者を押した。段差の上がり方や下り方、押すときのスピードを学んだ。


児童たちは「お年寄りが毎日、大変な思いをしながら過ごしていると思うと、できることは何でもしてあげようと思った」「車いすの運転で、母が『怖い』と言っていた。慎重にやらないと逆に傷つけてしまう」などと感想を話した。


東奥日報
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