県社会保障推進協が事業者にアンケート

2000年 11月 14日 (火) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

県社会保障推進協議会(西脇巽会長)が実施した県内の介護保険事業者に対するアンケートがまとまった。回答した全事業者の三八%が「収入が減った」と回答。特に居宅サービス系では半数以上が減収に苦しんでおり、今後の事業見通しに不安を抱いていることが分かった。


アンケートは、ケアプラン作成を担う居宅介護支援事業者のほかに、訪問介護や訪問看護などを行う居宅サービス事業者、それに特別養護老人ホームなどの施設を合わせた二百四十六事業者を対象に今年九月末から十月末にかけて実施。うち、百一事業者が回答した。回収率は四一%。


調査によると、対前年比の収入については、「増えた」と答えた事業者が二十六カ所あった一方で、「減った」としたのは三十六カ所に上った。なかでも、居宅サービスの単独事業者では、回答のあった十八事業者の半数の九事業者が「減った」と回答。苦戦している様子が浮き彫りとなった。


今後の事業運営についても全般に厳しい見方をしている事業者が多く、七十七カ所が「厳しい」と回答。三カ所は「縮小を検討中」としている。介護報酬に対する不満も根強いようで、五十七事業者が「低い」と回答した。


一方、居宅介護支援事業者や施設によるケアプラン作成状況については、一カ所当たり平均で六六・八枚を作成。ケアマネジャー一人当たりでは二七・八枚だった。ケアマネジャーの残業時間は平均で一四・四時間となっているが、最大で月六十時間という事業者もあり、作成から請求までの一連の作業に追われている姿が見て取れる。


アンケートでは、利用者からの苦情についても調査した。最も多かったのは「利用料」に対するもので二百五十八件に上った。次いで「サービスの内容・質」(百三十四件)、「保険料」(百三件)など。経済的な負担に対する抵抗感が目立った。


東奥日報
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