県国保連が介護保険で給付総額227億円

2000年 11月 03日 (金) | Category : 青森県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

介護保険制度の施行から半年間(四-九月)で、県内の各種事業者がお年寄りらに提供したサービスの給付総額が、約二百七十七億円に上り、ほぼ当初見込み通りの給付実績となっていることが二日、県国民健康保険団体連合会の集計で明らかになった。事業者による介護給付費の請求も、紙(帳票)の持ち込みが減って電話回線による伝送が増加。入力ミスによるエラーも極端に減るなど、請求事務が軌道に乗りつつある。


県国保連の集計によると、各事業者からの毎月の請求金額は、スタート当初の四月に、不慣れによるミスが原因で三十四億円台にとどまった以外は五十億円弱で推移。半年間の累計は約二百七十七億円となった。これは、十二年度の一年間で見込んでいた約五百五十九億円の四九・六%にあたり、半年間をみる限りでは、ほぼ見込み通りの実績となっている。


事業者による請求媒体も、スタート当初の四月には五割を超えていた紙による請求が徐々に減少し、九月は三一・〇%にまで低下。代わって、パソコン通信を利用した電子データによる「伝送」が四月の六・二%から九月には三五・五%にまでアップ。制度がスタートして初めてフロッピーなどの磁気、紙を上回るウエートを占めた。


各事業者が請求事務に慣れてきた状況は、入力や計算などのミスの減少にも現れている。データのエラーなどによって請求が差し戻された「返戻」、あるいは上限額を超えるなどして「査定」された金額は、四月には計五億七千万円に達していたが、九月には計一億一千万円にまで縮小した。


集計した県国保連の斉藤利夫事務局長は「当初は入力ミスの修正に追われたが、半年たって、事業者側のミスが激減し事務に慣れてきたことがうかがえる。請求に使うパソコンソフトも普及してきたのだろう。今後もデータのエラーは一%台で推移するのではないか」と話している。


東奥日報
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