不服申請111件たなざらし 後期高齢者医療審

2008年 11月 25日 (火) | Category : 秋田県の介護ニュース

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

後期高齢者医療制度の発足に伴い、秋田県に設置された後期高齢者医療審査会で、半年以上も初会合が開かれず、会長不在の状態が続いている。制度への不服を受け付ける審査会には、既に111件の訴えが寄せられているが、審査が行われる見通しは立っていない。


審査会は、被保険者代表の県老人クラブ連合会副会長ら3人、保険者代表の佐竹敬久秋田市長ら市町長3人、公益代表の県健康福祉部長ら3人―の計9人で構成し、4月1日に設置された。


事務局の県長寿社会課によると、当初は制度開始後すぐに審査請求があると思い、会長選出だけの初会合は見送り、第一回審査と併せて行おうと考えたが、実際に最初の請求があったのは9月25日と遅かった。


それでも、1カ月後には審査会が開催できると見込んでいたが、申請書類の点検作業が予想以上に手間取っている。最初に請求した65人の審査会は、来年1月にずれ込む可能性もあるという。


担当者は「老人クラブの役員さんも、市長さんも何かと忙しい方々。会長選のためにわざわざ集まってもらうのは忍びないと思った。まさか、こんなに先延ばしになるとは」と頭を抱える。


秋田を除く東北各県の審査会は、8月までに初会合を開き、とっくに会長を選出している。青森、宮城、山形、福島の4県では既に審査を終え、請求棄却や却下の決定を下したケースもある。


申請書類の点検を行う担当者は、6県とも1―3人と大差ない。秋田県と同じ2人体制の福島県では、申請92件のうち18件の審査が終わっており、秋田県の作業ペースは明らかに遅い。


今月17日には、保険料の減免却下は不当―などとして、46人が審査請求した。仮に、減免が妥当と判断されれば、医療制度を運用する広域連合は、加算金を上乗せして保険料を還付することになり、審査が長引くことは余計な支出を招きかねない。


県社会長寿課は「作業が遅れているのは確かだが、今のところ担当者を増やす予定はない。ただ、会長不在の期間がさすがに長いので、初会合だけ先に開こうかと考えている」と話している。


河北新報
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