特養ホーム待機者:調査開始以来最高、9684人-県高齢福祉課調べ
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
県内の特別養護老人ホームの待機者は9684人で、調査を開始した02年度以降の最高を更新したことが、県高齢福祉課の調査で分かった。このうち、中等度以上の介護を要する要介護3から5の人も6207人と最高を更新し、介護を必要として入所を申し込みながら、待機せざるを得ない状況が浮き彫りにされている。
介護保険事業の支援計画などを定める県高齢者保健福祉計画の策定のため、調査は02年度から3年ごとに実施している。今回は県内の全特養ホーム203施設を対象に調査し、187施設が回答した。
今年4月1日時点で1年以内の入所を希望しているのは▽要介護5(最重度の介護を要する状態)=1503人▽同4(重度)=2143人▽同3(中等度)=2561人▽同2(軽度)=2088人▽同1(部分的)=1389人--で、全体で05年度の8648人を上回った。
待機者のうち、要介護3~5の人の占める割合は64・1%で、02年度の55・9%、05年度の62・2%と年々増えており、厳しい状況がうかがえる。
県高齢福祉課は待機者が増えている原因について「高齢者の絶対数が増えているのと、介護する側の家族の核家族化や高齢者だけの家庭が増えるなどの状況の変化がある」と分析している。【月足寛樹】
毎日新聞』
- ( 12 / 16 ) 介護保険料:名古屋市の基準額、65歳以上引き下げ-09~11年度
- ( 12 / 08 ) 高齢者互助組織「ご近所ハウス」提唱建築士、寺島靖夫さん
- ( 11 / 25 ) 「老後息子頼み」4割 県内調査
- ( 11 / 12 ) 認知症買い物セーフティーネット:安心して買い物を 地域ネットづくり、始動
- ( 11 / 12 ) 県繊維技術センター:尿漏れ分かる織物開発 おむつ交換、無線信号で警告
- ( 11 / 06 ) テレビ付き携帯電話で高齢者支援 在宅療養患者の顔色、表情チェック
- ( 10 / 31 ) 八神製作所が福祉用具店を新装開店
- ( 10 / 30 ) 介護士の夢、海を越え フィリピン学生が豊田の施設見学
- ( 10 / 16 ) 毎日介護賞:アフラック賞、高浜市宅老所運営ボランティアグループに/愛知
- ( 10 / 14 ) 後期高齢者医療制度:口座振替保険料、494人分「二重取り」に-名古屋市