後期高齢者医療制度:都道府県格差はおかしい
「制度変更知らぬ障害者も」
後期高齢者医療制度のスタートに伴い、重度障害者への医療費助成の条件に都道府県間で「格差」が生じることになった。65~74歳の障害者の制度加入は任意なのに、愛知など10道県に住むこの世代の障害者は、加入しなければ助成を受けられなくなる。障害者の多くは低所得者。助成がなければ生活費が圧迫されるが、制度に加入すれば保険料を負担しなければならない、というジレンマに泣く人が出てきそうだ。【秋山信一】
「都道府県間で差があるのはおかしい」。名古屋市の障害者団体「こぶしの会」役員で1級身体障害者の鎌田稔さん(67)=名古屋市熱田区=は語気を強める。脳性マヒの鎌田さんは月8回、病院で運動療法のリハビリを受けている。医療費は無料。3割の自己負担分は愛知県と市が半分ずつ助成している。
だが4月から同制度に加入しなければ、自己負担分は自腹。薬代だけで月約1万5000円になる。鎌田さんの場合、現在の国民健康保険より後期高齢者医療制度の方が保険料が割安のため、制度加入する予定だ。だが会員の中には、暫定措置が終わる10月以降、これまで不要だった保険料負担を余儀なくされる会社員などの扶養家族がおり、団体役員としては納得できない。
現行の老人保健制度でも、愛知など8道県は同様に、非加入者には医療費を助成しない「除外要件」を設けているが、老健制度ではもともと保険料は無料。新制度で助成を受けると、新たに保険料が発生する障害者がいるほか、国民健康保険などの加入者でも自治体や所得によっては保険料が割高になるケースがある。
8道県のうち7道県が新制度でも除外要件を踏襲する。一方で、現在は除外要件を設けている高知県は「後期高齢者医療制度への加入は任意で、本人の選択を尊重する」として要件を外す。鳥取県は除外要件を新設する方針だったが、今年に入って「負担が大きくなる人も出てくる」として撤回した。
障害者の支援にかかわる愛知県保険医協会の澤田和男事務局次長は「障害者の多くは制度変更を十分に理解しておらず、保険料が増えるかどうかも知らない。強制加入させるような制度はおかしい」と批判している。
毎日新聞タグ: 後期高齢者医療制度
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