介護疲れか、84歳妻を刺殺 87歳夫を逮捕
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
5日午前6時20分ごろ、愛知県犬山市犬山西古券の民家の寝室で、無職小川八重子さん(84)が包丁で左胸などを刺され血を流しているのを同居する孫(26)が見つけ、119番した。駆け付けた犬山署員が、殺人未遂の現行犯で八重子さんと一緒にいた夫の無職小川金二容疑者(87)を逮捕した。
小川容疑者は血の付いた包丁を持ち「妻の介護に疲れた。妻を殺して一緒に死のうと思った」と供述、自分の腹を包丁で切って軽いけがをしていた。
八重子さんは病院に運ばれたが、間もなく死亡。同署は殺人容疑に切り替えて調べる。
小川容疑者夫婦は、長女らと5人暮らし。八重子さんは足が悪く、1年ほど前から寝たきりの状態だった。小川容疑者が付きっきりで介護をしていたとみられ、同署は介護が負担になっていた可能性もあるとみて、詳しく事情を聴く。
共同通信』
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