世界の認知症患者 2030年に8割増
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
高齢化で4400万人に…WHO推計
【ジュネーブ=渡辺覚】世界保健機関(WHO)は27日、認知症の患者数が2005年時点で約2440万人に上り、30年には同患者数が約1・8倍の約4400万人に増加すると推計した報告書を発表した。
報告書は、認知症の患者数について、高齢化の程度によって大きな差があると指摘。高齢化が進んでいる日本や欧米などの高所得国では、05年時点で人口1000人当たりの患者数がすでに約11・4人に達しており、30年には同約17・5人に増加すると予測した。
世界平均は05年が同約3・8人、30年が同約5・6人。高所得国では、認知症患者の割合が平均の約3倍に達すると分析している。
報告書は、これに慢性的な片頭痛患者(約3億2600万人)などを加え、神経疾患の患者数を現状で約10億人としている。
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