全国に認知症モデル地域 厚労省、在宅患者を支援

2007年 02月 14日 (水) | Category : 認知症

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

厚生労働省は14日までに、認知症患者が在宅でも安心して暮らせるよう地域ぐるみで支援してもらうため、都道府県ごとにモデル地域を1-2カ所ずつつくる事業を2007年度から行うことを決めた。はいかいして迷子になった患者の捜索や家族からの相談などを想定、事業を統括する専門員を置く。


モデル地域での認知症への取り組みを通じ、全国的な認知症対策を底上げする狙い。将来250万人に達すると見込まれる患者を、認知症グループホームや特別養護老人ホームなどで受け入れるには限界があり、自宅での介護に頼らざるを得ない事情も背景にあるとみられる。


事業には07年度予算案で、各都道府県への補助金として約5億4000万円を計上した。


モデル地域は都道府県が指定し、全体的な調整を担当する専門のコーディネーターを選任。何人でもいいが、患者のケアに従事した経験があることが条件で、介護福祉士や看護師、医師などが想定されるという。


取り組み内容は基本的に地域に任されるが、厚労省は、住民や介護サービス事業者、消防などが連携して、はいかい患者を捜す模擬訓練の実施や、認知症についての相談にコーディネーターが助言を行ってくれるよう促す考え。


共同通信
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