アルツハイマー病、副作用ない新ワクチン…都総研など

2006年 06月 13日 (火) | Category : 認知症

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

アルツハイマー病を治療する新しいワクチンを東京都神経科学総合研究所などの研究チームが開発、効果と安全性をマウスの実験で確認した。


このワクチンの投与により、アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質の脳への沈着を大幅に減らすことが可能となる一方で、ワクチン療法で課題とされてきた副作用もないという。13日の米科学アカデミー紀要電子版に発表された。


アルツハイマー病は、「ベータアミロイド」というたんぱく質が脳に蓄積し、脳神経細胞の維持に欠かせない他のたんぱく質の働きを阻害するのが原因とされる神経変性疾患。


開発されたワクチンは、このベータアミロイドを作るDNAを細胞内に取り込んで、体内に抗体を作り出すことにより免疫力を高め、ベータアミロイドの脳への蓄積を阻むというものだ。研究チームは、大腸菌の遺伝子で人工的に作ったベクター(運び屋)にこのDNAを組み込んで筋肉注射を行う方法を開発した。


生後6か月でベータアミロイドの沈着が始まるように遺伝子操作したマウスに対し、1~2週間に1回のペースで発症前からこのワクチン療法を行うと、何もしなかったマウスに比べ、生後18か月でベータアミロイドの沈着部分が約61%も少なかった。発症後に治療を始めても53%減っていた。生後18か月はヒトの70~80歳にあたるという。


同研究所の松本陽・参事研究員は「サルで安全性を確認し、3年以内に人での臨床試験を始めたい」と話している。


読売新聞
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