武田、独社とアルツハイマー病の原因物質発見
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
武田薬品工業の海外ベンチャー企業との共同研究が軌道に乗り始めた。独エボテック・ニューロサイエンシーズとの共同研究で、アルツハイマー病の原因となる体内物質を発見した。2000年前後から進めてきた複数の共同研究では初の成果で、武田が買い取り新薬開発につなげる。
エボテックとは2003年8月から共同研究を始めた。武田は研究成果にかかわるエボテックの権利と情報を推定2億―3億円で買い取り、国内の探索研究センター(大阪市)などで今後の新薬開発の計画を策定する。発見した体内物質の詳細については公表していない。
武田は90年代まで自前での新薬開発にこだわってきたが、00年以降は外部との基礎研究を積極化。がん、中枢神経、循環器、消化器の4つの重点開発領域に沿った基礎研究の成果を社外から取り入れる方針に切り替えている。これまで武田にはアルツハイマーの治療薬がなかった。
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