介護福祉士の現場離れ、20万人実態調査へ

2007年 08月 24日 (金) | Category : 介護福祉士

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

介護福祉士の資格を持ちながら介護現場で働いていない約20万人の「潜在的介護福祉士」の職場復帰を進めるため、厚生労働省は来年度、初の全国実態調査を行う方針を固めた。


働かない理由を把握し、処遇の改善などの対策に役立て、深刻な人手不足の解消と介護の質の向上を目指す。


介護福祉士の有資格者は約47万人(2005年9月末)いるが、実際に在宅介護事業や高齢者施設などで働く人は約27万人。残る約20万人は資格を持ちながらも介護現場で働いていない。その多くは、一度働いたものの、何らかの理由で辞めたと見られているが、詳しい実態は不明だ。


調査では、国家資格登録時の連絡先や介護関係団体の情報などをもとに働いていない介護福祉士を把握し、現在の就労状況、介護分野で働かない理由、復帰する意思の有無などを尋ね、具体的な職場復帰対策につなげる。


高齢化に伴い、同省では今後10年間で介護福祉士やホームヘルパーなど約40万~60万人の介護職が必要になると推計している。


だが介護職全体の離職率は約20%(全産業18%)と高い。景気回復に伴って人材難は深刻化しており、介護分野の有効求人倍率は昨年度1・74倍(全職業平均1・02倍)に達している。


介護福祉士 専門的な介護技術を生かし、高齢者や障害者の介護を行う国家資格。3年以上介護業務に携わった人が国家試験に合格するか、養成施設を卒業することなどで取得できる。認知症高齢者などに適切に対応する「専門介護福祉士」の創設も検討されている。


読売新聞
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