安川電機:介護ロボットで提携 研究開発、上海交通大学と
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
安川電機は中国・上海交通大学と介護・福祉分野などに使われるサービスロボットの研究開発で提携を始め、先月末、同大学内に共同研究を進める「サービスロボット&メカトロニクス連合実験室」を開設した。学内でロボットコンテスト開催支援や奨学金交付なども予定しており、優秀な人材発掘も目的の一つだ。
連合実験室では、ロボットの開発や実証実験のほか、安川電機のロボットも貸し出し、技術者の育成などを行う。上海交通大は中国国内でも難関の理工系大学で、同社とは産業用ロボット研究分野で協力関係にある。
安川電機は北京にロボット工場、上海にモーターとインバーターの製造販売拠点があり、来年は瀋陽にモーター製造・販売拠点を開設する計画。【石戸久代】
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