介護ベッド手すりで事故 お年寄りら5人が死傷
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
介護ベッドに転落防止のため取り付ける手すりのすき間に首を挟まれるなどして、昨年5月以降にお年寄りら3人が死亡、2人がけがをする計5件の事故が起きていたことが1日、経済産業省のまとめで分かった。
同省は、製品に欠陥があったのか使用方法に問題があったのかなど原因は不明とした上で、ほかにも同様の事故があったとみて情報収集を進めるとともに、使用の際の注意を呼び掛けている。
手すりは複数のメーカーが製造。数種類のタイプがあり、ベッド側面に取り付け、ドアのように開閉する部分のある製品もある。
経産省によると、昨年5月に兵庫県西宮市で40代の男性が、衣服が手すりにひっかかり首を圧迫されて死亡。12月には愛知県豊田市で60代の男性、今年1月には香川県丸亀市で80代の女性が、いずれも手すりのすき間に首を挟まれた状態で見つかり死亡したほか、大阪府と東京都でも重傷事故が起きた。
死亡事故はいずれも要介護者が1人のときに起きており、詳しい経緯や原因は不明という。
共同通信』
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