排せつ処理の負担減 寝たきり高齢者向け機器開発

2007年 08月 18日 (土) | Category : 介護用品

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

仙台市青葉区の介護福祉用品製造のエヌウィックは、寝たきりの高齢者向けの自動排せつ処理機を開発し、販売を始めた。同社は「介護する側、される側にとって大きな負担だった排せつ処理を自動化し、好評だ」と話している。


専用紙おむつと一体となったプラスチック製のカップを要介護者に装着し、洗浄水タンクと汚水タンクが入った本体とカップを専用ホースでつなぐ。  カップ内のセンサーが排尿と排便を区別して感知する仕組みで、排尿の場合は120cc、排便の場合は450ccの水を使い、温水で洗浄し、温風で乾燥する。汚物はカップから直接吸引され、おむつがほとんど汚れることがないので1日一回程度の交換で済む。


洗浄水のタンクが空になったり、汚水タンクが満杯になったりした場合、登録した家族や介護者の連絡先に自動で電話がかかるシステムも搭載。ベッドの下に板状のセンサーを据え付けて、要介護者の心拍数を常に測り、転落などの異常があった場合にも連絡できるようになっている。


価格は59万8000円で、専用の紙おむつは1枚300円。在宅介護の現場からは「ヘルパーに助けてもらう時間が減り、経済的負担も軽くなった」と好評で、これまで約100台を販売した。


現在は首都圏を中心に販売しているが、来年からは全国展開し、年間700―800台の販売を目指している。福祉用品店を通して、レンタルも行っている。


同社の斎藤徳雄社長は「介護する側には余裕が生まれ、介護される側も排せつ後の不快感がなくなる。利用者の自立にもつながるといい」と話している。


河北新報
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