大人用オムツフィッター 情報館次々オープン

2006年 10月 30日 (月) | Category : 介護用品

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

選び方、使い方アドバイス


高齢者向けの紙オムツの種類が増えてきた。しかし、適切な使い分けの知識はほとんど広まっていない。そこで生まれたのが、オムツの適切な選び方、使い方をアドバイスする「オムツフィッター」の資格。今、オムツフィッターのいる情報館が全国にできつつある。


川崎市のJR南武線・向河原(むかいがわら)駅前に7月、「排泄(はいせつ)情報館 むつき・諒(りょう)」がオープンした。「むつき(襁褓)」とは、オムツのこと。開いたのは、市民団体「老いを考える会・諒」の田中明子さん(53)と、林洋子さん(54)。


11社の紙オムツのサンプル200点を展示。個別の相談に無料で応じる。紙オムツの一部は販売もしており、在庫がないものは、メーカーや販売店を紹介する。火曜と金曜の午前10時から午後4時まで開館。電話(044・435・2315、ファクス兼用)で予約すれば、ほかの曜日も対応可能だ。オムツ以外の介護用品も展示・販売している。


「量販店などには、2~3種類しか置いていないことが多く、店員も使い方をアドバイスできないため、体のサイズだけで選んでいる人が多い。気軽に情報交換できる場にしたい」と田中さんは話す。


京都市にある「排泄用具の情報館・むつき庵(あん)」は、介護用品の専門家として知られる浜田きよ子・高齢生活研究所代表が2003年11月に開設した。浜田さんは相談に乗るうちに、介護施設の職員でさえ、排せつ用具の適切な選び方、使い方を知らない人が多いことに気づいた。そこで04年9月、最適な排せつ用具の選び方を学ぶ「オムツフィッター」の研修制度をスタート。これまでに3級342人、2級40人を認定した。


「むつき・諒」の田中さんと林さんも2級のオムツフィッターだ。


同様に、オムツフィッターによる「ミニむつき庵」が、兵庫県姫路市にも7月にオープンした。山梨県にも年内に開設される予定。


高齢者向けの紙オムツは、大きく分けると、〈1〉主に寝たきりの人が使う「テープ止め」型〈2〉立ったり座ったりできる人向けの「パンツ」型〈3〉布の下着と組み合わせる「パッド」型――の3タイプがある。


「最近では、昼間はパンツ型として使い、夜間は両サイドを切り開けば、テープ止め型としても使えるタイプも出てきた。個々のケースに応じて、最適な物を選んでほしい」と浜田さんは話している。


読売新聞
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