療養病床:「6割減」断念 医療・介護給付費削減、1200億円に

2008年 08月 06日 (水) | Category : 介護施設

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

3000億円→1200億円に


厚生労働省は5日、長期入院施設である療養病床を12年度に6割減の15万床とする目標を正式に断念した。自民党社会保障制度調査会で表明した。4割減にとどめ、22万床は残す考えで、当初、約3000億円と見込んでいた医療・介護給付費の削減幅は約1200億円にとどまる。


厚労省は06年2月、38万床あった療養病床のうち、介護保険適用の介護型(13万床)の全廃を法案化、医療保険適用の医療型(25万床)を15万床まで減らす目標を立てた。


その後、回復期リハビリ病棟(2万床)を削減対象から外し目標を修正。07年度に医療型療養病床の必要数を見積もったところ、約22万床にも上ることから、見直しを迫られていた。目標断念により、3万床前後のリハビリ病棟を含めた総数は当初の25万床と変わらなくなる見通しだ。


医療費の削減幅は当初見通しの4000億円から200億円に大幅に減り、1000億円増とみていた介護費は1000億円減になるという。【吉田啓志】


毎日新聞
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