高齢者向け賃貸住宅、民間病院の参入解禁・厚労省

2007年 07月 26日 (木) | Category : 介護施設

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

厚生労働省は民間病院を経営する医療法人に、高齢者向け住宅賃貸事業への参入を解禁する。入居者の安否を定期的に確認する見守りサービスの提供を条件に、不動産業の兼営を禁じた医療法上の規定を緩和。医師、看護師ら医療スタッフと連携を密にした高齢者向け住居を整備する。心身に不安を抱えがちな高齢者が安心して暮らせる場を増やし、団塊の世代の高齢化で高まる住居ニーズに備える。


医療法人に兼営を認めるのは、バリアフリーで高齢世帯の入居を拒まない高齢者専用賃貸住宅(高専賃)。厚労省は高専賃事業に参入する医療法人に、入居者の生活相談に応じたり、高齢者の容体急変に備えて定期的に安否を確認するなどの見守りサービスの継続的な提供を義務付ける。


住戸面積が25平方メートル以上などの条件を満たせば、介護事業者が入浴の世話などの介護保険サービスを提供することも認める。厚労省は医療法人の付帯業務を定めた医療法の施行規則を見直す通知を出した。


一般の賃貸住宅は高齢を理由に入居を拒む例も目立つ。医療法人が高専賃事業に参入すれば、日常的に介護を受ける必要はないものの、単身や夫婦2人だけで暮らすことを不安に感じているお年寄り世帯の利用が想定される。不動産会社などが保有する賃貸住宅の住民向けに、提携した病院が健康管理などを手助けするサービスは既に始まっている。ただ主に富裕層向けのため、あまり普及していなかった。

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