老人ホームなど46施設宙に コムスン指定取り消しで開業できず
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
訪問介護最大手コムスンが計画しながら、介護事業所の指定取り消し処分で開業できなくなった介護付き有料老人ホームなどの施設が、全国で46カ所に上ることが8日分かった。コムスンは、こうした施設も含め一括して譲渡先を探すとしているが、建物の所有者からは早期開業を求める声が出ている。宙に浮いた状況が長引けば、地域の介護に影響が広がることも懸念される。
コムスンによると、建設中か完成したものの地方自治体から新たに指定を受けられない施設は、有料老人ホームが17カ所、グループホーム4カ所、小規模多機能型居宅介護施設が25カ所。地域別では関東が16カ所と最も多く、次いで北海道と関西、九州が6カ所、東海は5カ所。中国は3カ所、東北と北信越は2カ所、四国はなかった。
こうした施設はコムスンが建設せず賃貸で入居する計画で、建物の所有者らには「個別に譲渡せず一括で対応する」とし、譲渡先決定までの間の家賃など必要経費を支払うと説明。事業譲渡した場合も、契約した家賃や保証金の額は変えないとして理解を求めている。
共同通信』
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