有料老人ホーム運営財団37億円申告漏れ 国税指摘

2007年 06月 15日 (金) | Category : 介護施設

わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。

2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。

わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。

人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。

そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。

介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。

今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。

全国7か所で介護付き有料老人ホームを運営する厚生労働省所管の財団法人「日本老人福祉財団」(東京都中央区)が、入居者からの入居金の計上時期を誤っていたとして、東京国税局から2006年3月期までの3年間で計約37億円の申告漏れを指摘されていたことがわかった。


追徴税額は過少申告加算税を含め9億数千万円に上ったが、同財団は「会計や税務の処理に誤りはない」として、国税不服審判所に審査請求した。


関係者によると、同財団は、老人ホームの入居者から、入居時に施設利用料などとして平均約3000万円の入居金を受け取り、入居者の平均余命として同財団が算出した15年に分けて収益計上していた。


これに対し、同国税局は、入居金が入居から5年以内に死亡したり退去したりしない限り、返還されないことから、入居から5年間で収益計上すべきだと指摘したという。


日本老人福祉財団の話「会計処理は厚労省の指針に沿ったもので、誤りはない。過去の税務調査でも適切だとされており、一方的に不適切とされるのは遺憾だ」


読売新聞
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