有料老人ホームが大幅増 04年比3割増
わが国の高齢者介護は、1963年に老人福祉法が制定された以降、70年代の老人医療費の無料化、80年代の老人保健法の制定、90年代の福祉8法の改正・ゴールドプランの制定など、人口の急速な高齢化が進む中で、時代の要請に応えながら発展してきた。
2000年4月から実施された介護保険制度は、措置から契約への移行、選択と権利の保障、保健・医療・福祉サービスの一体的提供など、わが国の高齢者介護の歴史においても時代を画す改革であり、介護保険制度の導入によって高齢者介護のあり方は大きく変容しつつある。
わが国の平均寿命は世界でも最高水準となった。高齢期は今や誰もが迎えると言ってよい時代となっており、また、高齢者となってからの人生も長い。その長い高齢期をどのように過ごすのかは、個人にとっても社会にとっても極めて大きな課題となっている。
人生の最期まで、個人として尊重され、その人らしく暮らしていくことは誰もが望むものである。このことは、介護が必要となった場合でも同じである。
そうした思いに応えるためには、自分の人生を自分で決め、また、周囲からも個人として尊重される社会、すなわち、尊厳を保持して生活を送ることができる社会を構築していくことが必要である。また、高齢者介護においても、日常生活における身体的な自立の支援だけではなく、精神的な自立を維持し、高齢者自身が尊厳を保つことができるようなサービスが提供される必要がある。
介護保険は、高齢者が介護を必要とすることとなっても、自分の持てる力を活用して自立して生活することを支援する「自立支援」を目指すものであるが、その根底にあるのは「尊厳の保持」である。
今、私たちの直面する高齢者介護の課題をとりあげたい。
2005年調査 入居者7割「生活満足」
全国の有料老人ホーム数が2005年に1406施設と、前年に比べ3割以上増えたことが、厚生労働省が発表した「社会福祉施設等調査結果の概況」で明らかになった。
また、入居者の約7割がホームでの生活に満足しており、老後の生活の場として一定の評価を受けている現状が浮き彫りになった。
05年10月1日時点での実態を調査。有料老人ホームの施設数は年々増加を続けており、05年は前年(1045施設)に比べ34・5%の大幅増。また、在所者数も6万9867人と、前年比26・0%増えた。
また、入居者に対する調査も実施。620施設の1万7098人を対象に行い、1万2899人から有効回答を得た。
入居を決めた理由(複数回答)については、子供のいる人では「体力の衰えから自立した生活が難しくなった」が43・1%と最も多く、「家族に負担をかけたくない」が続いた。子供のない人は「病気になっても安心」「老後の生活設計として入居を決めていた」が上位を占めた。
ホームを選んだ基準としては「立地条件が良かった」が最も多く、入居に際しては、直接ホームを訪問、パンフレットを読むなどして「自分で調べた」という人が57・4%と、「家族らが調べてくれた」(21・7%)の3倍近くに上った。
生活の満足度については、「満足」「おおむね満足」が合わせて68・0%を占め、「やや不満」「不満」とした7・9%を大きく上回った。
読売新聞』
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